NY円相場は159円台後半で慎重な取引続く
8月31日午前のニューヨーク外国為替市場では、円が1ドル=159円台後半で推移した。午前9時時点は159円80~90銭となり、前週末午後5時の159円92銭~160円02銭と比べて12銭の円高・ドル安だった。G20財務相・中央銀行総裁会議や米国の重要な経済指標を控え、市場では売買を積極化させにくい状況が続いた。
これに先立つ東京市場でも円の値動きは限定的だった。午後5時時点では1ドル=159円56~58銭で、前週末より6銭の円安・ドル高となった。東京からニューヨークへ取引時間が移っても、159円台を大きく離れる動きにはつながらなかった。
G20では世界経済と金融市場安定を協議
G20財務相・中央銀行総裁会議は31日午前、米ノースカロライナ州アッシュビルで開幕した。会議は2日間の日程で行われ、エネルギー価格の高止まりなど世界経済を押し下げる要因への対応が話し合われる。主要国で長期金利の上昇が続く中、国際金融市場を安定させるための対応も主要な論点となる。
日本からは片山さつき財務相と植田和男日銀総裁が参加している。市場では会議全体の議論だけでなく、開催期間中に行われる日米当局者間の個別協議にも注目が向かっている。政策担当者の発言を確認するまでは、大きな持ち高を取りにくいとの見方が取引を抑えている。
日米協議で追加利上げと円相場が重要論点に
ベセント米財務長官は30日、ロイター通信とのインタビューで、アッシュビルで植田日銀総裁と会談する考えを示した。片山財務相との会談も見込まれており、日銀による追加利上げや最近の外国為替市場についてどのような議論が行われるかが焦点となる。
日米は7月末に円買いの協調介入を実施しており、その後の円相場も協議材料として意識されている。円は週末に一時160円台まで下落した後、159円台に戻った。日本政府・日銀が再び市場に対応することへの警戒が、円売りを進めにくくする要因となっている。
FRB議長発言受け米金融政策への警戒継続
前週末にはウォーシュFRB議長のタカ派的な発言を背景としてドル買いが進み、円は一時約1カ月ぶりとなる安値水準まで下落した。米国で利上げへの観測が強まったことが、円に対するドルの上昇圧力につながった。ただ、160円台では介入への警戒も高まり、その後は円が値を戻した。
こうした金融政策を巡る思惑はユーロ相場にも表れている。ニューヨーク市場の午前9時時点でユーロは1ユーロ=1.1590~1.1600ドル、対円では185円30~40銭だった。東京市場では対ドルで1.1601~1.1603ドル、対円では185円11~15銭で取引されていた。
米雇用指標相次ぐ週に市場の視線集まる
市場ではG20と日米会談に加え、週内に発表される米国の雇用関連統計も重要な判断材料となる。米雇用動態調査(JOLTS)、ADP全米雇用報告、雇用統計などが予定されており、米国の雇用情勢を確認する機会が相次ぐ。
米金融政策への見方が円相場を押し下げる一方、日本側の為替介入への警戒も継続している。このため、31日は東京、ニューヨークの双方で円の値幅が限られた。G20での政策当局者の協議と米雇用関連指標を順次確認する局面に入り、円は159円台を中心として慎重に売買されている。