ファストリの年間売上高が約4兆円に迫る過去最高決算
ファーストリテイリングは10月8日、2026年8月期の連結決算を公表した。売上収益は前期比16.6%増の3兆9633億円となり、4兆円に迫る規模まで拡大した。営業利益は31.7%増の7431億円、純利益は25.3%増の5425億円を記録した。
売上収益などは5期連続で最高水準を更新し、純利益は6年連続で過去最高となった。主力ブランドのユニクロが日本と海外の全地域で売上高と利益を伸ばし、グループ全体の成長を支えた。特に海外事業の拡大が連結業績を大きく押し上げた。
H&Mの売上規模を上回り世界2位へ浮上した経緯
ファーストリテイリングは2026年8月期の売上収益でスウェーデンのH&Mを上回り、アパレル専門店の世界売上高ランキングで2位に浮上した。H&Mの2025年11月期の売上高は日本円で約3兆6000億円だったのに対し、ファーストリテイリングは約3600億円多い3兆9633億円を計上した。
ファーストリテイリングは2016年8月期に米国のギャップを追い越し、世界3位に入った。当時の年間売上高は1兆7864億円だったが、そこから10年で2倍を超える水準まで成長した。これに対してH&Mは、過去10年間の売上高が2099億2100万スウェーデンクローナから2282億8500万スウェーデンクローナへの増加にとどまり、両社の成長ペースに差が生じている。
海外ユニクロ事業が全地域で成長し利益も大幅拡大
海外ユニクロ事業の売上収益は前期比26.2%増の2兆4111億円となった。営業利益は44.9%増の4481億円に達し、売上高を上回る伸び率を示した。地域別では北米や欧州で特に高い成長率を記録した。
北米の売上収益は34.6%増の3649億円、欧州は38.7%増の5126億円となった。韓国・東南アジア・インド・豪州は30.7%増の8094億円、グレーターチャイナも11.3%増の7240億円に拡大した。
海外ユニクロ事業の売上収益に占める北米と欧州の割合は36%に達した。従来はアジア地域が中心だった海外事業の収益構成にも変化が生じている。
国内ユニクロも機能性衣料の販売好調で増収増益
国内ユニクロ事業の売上収益は前期比5.7%増の1兆848億円となり、前期に初めて突破した1兆円台を維持した。営業利益は6.6%増の1966億円となった。既存店売上高も5.1%増加し、国内事業は安定した成長を続けた。
販売面では、ウルトラストレッチパンツやUVカット商品、バレルパンツなどが年間を通じて好調だった。機能性と流行を取り入れた商品が売上拡大につながった。ユニクロは「ライフウエア」を掲げ、国内では幅広い年齢層に商品を展開している。
日本市場におけるユニクロのシェアは1割を超えている。海外事業の急成長に加え、国内の主力ブランドも増収増益を維持したことが今回の決算に反映された。
2027年8月期は売上高4兆4500億円を計画
ファーストリテイリングは2027年8月期について、売上収益を前期比12.3%増の4兆4500億円と予想した。営業利益は11.7%増の8300億円、純利益は3.2%増の5600億円を見込む。計画通りとなれば、純利益は7年連続で最高記録を更新する。
アパレル専門店の世界首位は、ZARAを運営するスペインのインディテックスで、年間売上高は約7兆円に達する。店舗数もインディテックスの約5500店に対し、ファーストリテイリングは約3500店となっている。
柳井正会長兼社長は世界最大のアパレル企業を目標に掲げてきた。2027年8月期も2桁の増収を計画しており、世界首位との売上規模の差を縮めるための事業拡大を継続する。