ドル円急落で高まる当局警戒、157円前半が上値目安に浮上

浅川 涼花
经过

155円台への急落が市場心理を大きく揺さぶる

5月4日のアジア時間の外国為替市場で、ドル円は一時155円台まで下落した。日本時間の午後1時前に急な円買いが入り、ドルは一時155.69円を付けた。直前には157円前半で推移していたため、市場では急激な変動として受け止められた。

日本は祝日で、通常より参加者が少ない状況にあった。取引の厚みが乏しい中で相場が動きやすかったことに加え、前週の介入観測が残っていた。今回の急落は、投資家に当局対応への警戒を再認識させる材料となった。

4月30日以降に続く急変動への警戒感

ドル円は4月30日以降、連日で急落する場面があった。市場では、同日に政府・日銀による為替介入が行われたとの観測が広がっていた。今回も短時間で大きく円高方向に振れたため、介入を意識する動きが強まった。

NHKによると、円相場は昼前後に1ドル=157円台で推移していたが、午後1時前に円買いが加速した。約10分で1円50銭程度の円高となり、155円台後半まで上昇した。値動きの速さが、市場に介入観測を広げる一因となった。

市場専門家が注目した当局の意思表示

ATFXグローバルのニック・ツイデール氏は、今回の値動きについて日本当局による可能性を指摘した。そのうえで、前週ほど大きな規模ではないものの、円安を容認しない姿勢を示しているとの見方を示した。

ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏も、再度の介入があったとの見方を示した。上野氏は、大型連休中は政府の警戒度が高く、円安方向へ進ませない意思が感じられると分析した。市場では、157円から上方向は買い上がりにくいとの見方も出ている。

IMF目安と連休中の介入可能性が意識される

市場では、国際通貨基金の目安も意識された。ロイターによると、3営業日以内の介入は1回として数えるとの目安が市場で注目されている。今回の局面に当てはめると、初回の介入実施とみられる4月30日から数えて、5月4日は3営業日目に当たる。

ただし、政府がこの目安をどの程度重視しているかは明らかではない。上野氏は、翌日以降の介入可能性についても不透明だと指摘した。市場参加者は、当局の発言や為替水準を見ながら、慎重な取引を続けている。

ドル買い戻し後も残る不安定な値動き

円は155円台まで上昇した後、再び下落した。イラン情勢の不透明感を背景に、有事に強いとされるドルを買い戻す動きが入り、日本時間の午後7時過ぎには1ドル=157円台前半まで戻した。急落前の水準に戻ったことで、相場の方向感は定まりにくい状況となった。

片山財務大臣は、介入の有無について「ノーコメント」と述べた。その一方で、政府の姿勢は明確だとし、投機的な動きが続いているとの認識を示した。ドル円は当面、157円前半を意識しながら、当局警戒と地政学的要因の双方に左右される展開となっている。

この記事をシェア