護衛艦と練習機の移転協議が本格化、日比防衛連携が新段階へ移行

浅川 涼花
经过

マニラ会談で共同声明に署名

小泉進次郎防衛相は5月5日、マニラでフィリピンのテオドロ国防相と会談し、防衛分野の協力を一段と進めることで一致した。両氏は防衛装備協力を強化する共同声明に署名し、政策、運用、装備、技術の各分野で協力を深める方針を確認した。作業部会の設置にも合意し、今後の実務協議を通じて具体的な手続きが進められる。

規制見直し後の初案件に浮上

日本政府は4月、防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷能力を持つ装備の輸出を可能にする制度変更を行った。今回の中古護衛艦移転は、その見直し後に浮上した初の本格的な輸出案件となる可能性がある。フィリピン側は日本の制度改定を評価し、早期に成果を出したいとの意向を示した。

あぶくま型護衛艦を協議対象に

移転協議の対象には、海上自衛隊のあぶくま型護衛艦が含まれる。同型艦は機関砲や対艦ミサイル関連設備を備えており、海上警戒や沿岸防衛に関わる装備として位置付けられる。日本側は法的な対応を整えたうえで、無償譲渡の可能性も含めて協議を進める。

TC-90追加移転も検討へ

海自練習機TC-90についても、追加移転が話し合いの対象となった。小泉氏は会見で、護衛艦と練習機の早期供与を念頭に置いていると述べた。装備面での協力を進めることで、両国は防衛運用の連携を高める方針を共有した。

共同訓練で実務連携を拡大

日本とフィリピンは、中国の海洋進出を背景に安全保障面の協力を強めている。フィリピンと米国が実施する多国間共同訓練バリカタンには、日本も今回から本格的に参加する。自衛隊はフィリピン国内で初めて地対艦ミサイルの発射訓練を行い、装備協力と訓練参加の両面で日比連携は新たな段階に入る。

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