中露が対米欧姿勢を鮮明化、日本と中東情勢にも言及

浅川 涼花
经过

北京で両首脳が協議

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は5月20日、北京の人民大会堂で首脳会談を行った。プーチン氏は前日深夜に北京へ到着し、20日午前には人民大会堂前で歓迎式典に出席した。会談では、中露関係の強化に加え、国際秩序、安全保障、中東情勢、資源供給が協議された。

両首脳は会談後、戦略的協力関係を強化する共同声明を発表した。声明は、両国が国際情勢の変化を踏まえ、連携を拡大する方針を示す内容となった。中露は、政治的な結束だけでなく、経済や安全保障を含む幅広い分野で協力を深める姿勢を打ち出した。

多極化を掲げ新秩序構築で一致

習氏は会談の中で、国際社会が大きな転換期を迎えているとの見方を示した。一方的な支配や力を背景にした秩序が広がれば、世界は不安定な方向へ進むと指摘した。その上で、中露両国が公正で合理的な国際秩序の形成に向けて協力し、多極化を進める姿勢を確認した。

共同宣言では、一部の国が世界を統制しようとする動きは失敗したと位置付けた。これは、米国を念頭に置いた表現として示された。中露は、米欧が主導してきた国際秩序に対し、別の枠組みを提示する姿勢を明確にした。

中露関係の新段階を強調

会談後、習氏は中露関係について「新たな出発点」に入ったと述べた。プーチン氏も、両国関係はこれまでにない水準にあると表明した。双方は、中露善隣友好協力条約の延長でも一致し、長期的な協力の継続を確認した。

同条約は7月に署名から25年を迎える。延長合意は、両国が外交、安全保障、経済分野で関係を維持する意思を示すものとなった。会談では、ウクライナや台湾など、双方にとって重要な課題についても互いに支持することを確認した。

日本を名指しし安全保障で歩調

共同声明では、防衛力を強化する日本を名指しし、「再軍備の放棄」を求めた。習氏は共同記者発表で、ファシズムと軍国主義を復活させる挑発行為に反対すると述べた。中露は、対日関係を巡っても協調する立場を示した。

この内容は、安全保障分野での中露の共通姿勢を表すものとなった。両国は、国際秩序だけでなく、アジア太平洋地域を巡る問題でも連携を強めている。日本の防衛政策に対する反発を共同声明に盛り込んだことで、対外的なけん制色が強まった。

中東の早期停戦と供給網安定を重視

会談では、イラン情勢を含む中東情勢も取り上げられた。習氏は、紛争の早期終結がエネルギー供給の安定やサプライチェーンの円滑化に資すると述べた。国際貿易秩序への影響を抑えるためにも、戦闘の停止が重要だとの考えを示した。

プーチン氏は、ロシアが信頼できる資源供給国であると述べ、中国への確実な供給を約束した。さらに、11月に中国・深圳で開かれるAPEC首脳会議への参加意向を表明し、習氏に来年の訪露を求めた。両首脳は、直近の米中首脳会談についても意見を交わしたとされ、中露協力を今後も継続する姿勢を示した。

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