東京市場で5日続落の展開
20日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に下落した。終値は前日比746円18銭安の5万9804円41銭となり、節目とされる6万円を下回った。6万円割れは5月1日以来約3週間ぶりで、安値水準も同日以来となった。
日経平均の下落は5営業日連続となり、5日続落は1月以来となった。取引時間中には下げ幅が1200円超に広がる場面もあり、投資家のリスク回避姿勢が強まった。米国市場で長期金利の上昇が意識された流れを受け、東京市場でも朝方から売りが先行した。
東証株価指数(TOPIX)も反落した。終値は前日比59.02ポイント安の3791.65だった。JPXプライム150指数も27.78ポイント安の1590.50で取引を終えた。
金利上昇が投資心理を圧迫
相場の重荷となったのは、世界的な金利上昇への警戒である。19日の米市場では長期金利が2025年1月以来の高水準を付け、株式市場では売りが広がった。国内でも金利が上昇傾向にあり、投資家は高PER銘柄や成長株の割高感を意識した。
原油価格の高止まりに伴うインフレ懸念も材料視された。米国とイランの戦闘を背景に物価上昇が長期化すれば、各国の中央銀行が引き締め的な金融政策を続けるとの見方が広がった。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ方向へ動く可能性も意識され、前日のニューヨーク市場ではダウ工業株30種平均が322.24ドル安の4万9363.88ドルで終えた。
ハイテク株主体のナスダック総合指数も3営業日続落し、220.02ポイント安の2万5870.71となった。この米国株安の流れが東京市場にも波及し、日経平均を押し下げる要因となった。
半導体関連株に利益確定売り
日経平均を下押しした中心は、AI・半導体関連株の一角だった。ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、フジクラなど、これまで相場上昇を支えてきた銘柄に売りが出た。決算発表が一巡し、新たな買い材料が乏しくなったことも、利益確定の動きを促した。
フジクラは連日で大幅安となり、指数への下押し圧力を強めた。ファナック、信越化学工業、豊田通商、TDKも下落した。金利上昇が業績面の逆風になりやすい不動産関連の一部にも売りが出た。
後場に入ると、景気敏感株である商社株にも下げが広がった。市場全体では値下がり銘柄が多く、東証プライム市場の値下がり銘柄数は1283と全体の約8割を占めた。値上がりは263、横ばいは22にとどまった。
韓国市場の下落も重荷
日本株の下げには、韓国市場の動きも影響した。韓国半導体大手サムスン電子の労働組合は20日、会社側との報酬交渉が決裂したため、21日からストライキに入る方針を決めた。報道を受け、韓国市場ではサムスン電子株に売りが強まった。
韓国総合株価指数(KOSPI)も下落し、アジアの半導体関連株に対する警戒感が広がった。日本と韓国の株高を支えてきた海外投資家の買いの勢いが鈍るとの見方も、日経平均の上値を抑えた。
半導体関連株は世界的なAI需要を背景に上昇してきたが、金利上昇や個別企業の材料が重なり、短期的な売りが出やすい地合いとなった。東京市場でも、半導体株の一部に資金を引き揚げる動きが見られた。
大引け前に下げ幅縮小
日経平均は大きく下げたものの、大引けにかけて下げ幅を縮小した。日本時間21日早朝には、米半導体大手エヌビディアの決算発表が予定されていた。市場では同社の業績と株価が、世界のAI・半導体関連株の方向性を左右するとの見方が広がった。
東京市場では、半導体関連でもアドバンテストやキオクシアには買いが入った。小売りや医薬品などの一部銘柄も上昇し、指数の下支え役となった。ファーストリテイリング、KDDI、良品計画、テルモは上昇した。
東証プライム市場の売買代金は概算で9兆5429億円、売買高は27億8314万株だった。金利上昇、原油高、半導体株の調整が重なり、東京市場は広範囲に売りが出る展開となった。