中国軍事企業リスト拡大で大手企業に波紋広がる
米国防総省が中国軍との関係を理由に企業リストを拡大したことを受け、中国のアリババグループが法的対応に出た。国防総省は今月、アリババや電気自動車大手の比亜迪を含む企業を「中国軍事企業」リストに追加した。対象企業の拡大は、米中間の安全保障上の警戒が企業分野にも及んでいることを示している。アリババはこの指定を受け入れず、米西部カリフォルニア州の連邦地裁に取り消しを求めた。
アリババが証拠不足と判断の不合理性を主張
アリババは訴状で、国防総省の指定には十分な根拠がないと主張した。同社は中国軍に属する企業ではなく、中国政府が進める軍民融合戦略の構成要素でもないと反論している。さらに、今回の判断は恣意的で不合理だとし、リストからの削除を求めた。国防総省の認定に対し、企業側が法廷で証拠の有無や判断過程を争う形となった。
制裁なしの掲載でも事業と資金調達に懸念広がる
中国軍事企業リストへの掲載は、直ちに制裁を伴うものではない。それでも、将来的な規制の強化や投資の引き揚げにつながる可能性があるため、企業にとっては重要な問題となる。アリババは、指定が事業や資金調達に悪影響を与えることを懸念している。米企業との関係を維持する上でも、国家安全保障上の脅威と見なされることは大きな負担になると訴えている。
BYDなど追加で米中摩擦の色合いが一段と強まる
今回のリスト拡大では、アリババだけでなく比亜迪なども対象に含まれた。米国防総省は、アリババが中国工業情報省との関係を通じて中国の防衛産業基盤に関与していると指摘した。また、中国の国有資産監督管理委員会との間接的なつながりにも触れている。これに対してアリババは、自社の事業が小売り、物流、企業向けITを中心とするものであり、防衛や情報機関向けではないと説明した。
リスト運用の妥当性が問われる局面続く見通し
今回の訴訟では、米国防総省の安全保障上の判断が、どの程度の証拠に基づいているかが問われる。アリババは、指定によって企業イメージが損なわれ、米国との取引関係にも影響が及ぶと主張している。国防総省側は中国軍との関係を理由に指定を行ったが、企業側は独立した経営体制と事業内容を根拠に反論している。リスト掲載の妥当性を巡る司法判断は、同様の指定を受けた中国企業にも影響を与える可能性がある。