中低所得者向け支援制度の骨格を提示へ調整
政府と与野党で構成する社会保障国民会議の実務者会議が6月24日、国会内で開かれた。会議では、小野寺五典・自民党税制調査会長が中間取りまとめ案を示した。案の柱は、食料品の消費税率引き下げと、中低所得者向けの新たな給付制度を組み合わせる点にある。
新制度は、所得に応じたきめ細かな支援を行う仕組みとして位置付けられている。目的には、中低所得層の手取り増加や就労促進が掲げられた。働く高齢者、個人事業者、フリーランスも対象に含める方向が示されている。
15歳以下の子ども数に応じ給付額加算へ方針
給付制度では、扶養する子どもの人数に応じて支援額を上乗せする方針が盛り込まれた。2027年度からの先行導入では、15歳以下の子どもが加算の対象となる。2029年度以降の本格導入では、対象年齢を18歳以下に広げる。
支給は個人単位を基本とする一方、子育て世帯への配慮を制度内に反映する。具体的な対象者、給付額、加算幅はまだ決まっていない。今後の会議で、制度の詳細を詰めることになる。
食料品税率1%への引き下げ方針を明記へ
中間取りまとめ案では、2027年4月から2年間、食料品の消費税率を現行の8%から1%へ引き下げる方針が示された。政府・与党は、この減税と給付の先行実施を組み合わせることで、食料品にかかる消費税の実質的な負担軽減を図る。給付は、1%相当分に当たる年6000億円強の範囲内で行う方向とされた。
本格的な給付制度は2029年度に導入する想定である。それまでの期間は、食料品減税と先行給付をつなぎの措置として実施する。税額控除との組み合わせについては、事務負担などを踏まえ、継続検討にとどめた。
農業と外食産業への対応策検討も明示へ調整
消費税率の引き下げに伴い、農業従事者や外食産業への影響にも対応する方針が示された。小規模農家には消費税納付が免除されている事業者があり、税率が下がることで手元に残る税額相当分が減る可能性がある。このため、農業分野への配慮策を検討する。
外食産業についても、食料品の税率が下がる一方で、外食は税率10%が維持される。事業者への影響を踏まえ、資金繰り支援などの予算措置を検討する内容が案に盛り込まれた。減税の対象外となる分野への対応も、制度設計上の論点となる。
財源と制度詳細の具体化が今後の課題に浮上
政府・与党は、中間取りまとめを月内にまとめ、来月決定する経済財政運営と改革の基本方針に反映させたい考えである。ただし、案には財源が明示されていない。次回の実務者会議で、政府側が一定の方向性を示す見通しとなっている。
野党側の理解を得られるかも課題となる。給付の対象、金額、子ども加算の水準、恒久財源の確保は今後の協議に残されている。制度の実施に向けては、負担軽減策の具体性と財源の説明が焦点となる。