消費と投資の低迷で中国景気に減速感
中国国家統計局が7月15日に発表した2026年4~6月期の実質GDPは、前年同期と比べて4.3%増加した。伸び率は1~3月期の5.0%から低下し、市場予想の4.5%にも届かなかった。成長率は、新型コロナウイルス禍の影響が続いていた2022年10~12月期以来、3年半ぶりの低水準となった。
前期比では0.9%増だった。市場予想とは一致したものの、1~3月期の1.3%増から勢いが弱まった。2026年1~6月期では前年同期比4.7%増となり、政府の年間目標である4.5~5%の範囲を維持した。
製造業と輸出が景気を下支え
生産分野では、AI関連の世界的な投資拡大を受け、集積回路などの製造と輸出が成長を支えた。6月の鉱工業生産は前年同月比5.3%増え、5月の4.5%増を上回った。市場予想の4.7%増も超え、3カ月ぶりの高い伸びを記録した。
1~6月期の工業生産も前年同期比5.4%増となった。ただし、1~3月期の6.1%増と比べると伸び率は縮小している。製造業の一部が高い成長を続ける一方、その効果が経済全体には十分に波及していない状況が表れた。
個人消費の回復力は依然限定的
消費動向を示す6月の小売売上高は前年同月比1.0%増となり、5月の0.6%減からプラスへ転じた。通信機器、文化・事務用品、たばこ、酒類、化粧品などの販売改善が押し上げた。市場では0.1%減が予想されていたため、結果は事前の見方を上回った。
一方、1~6月期の小売売上高は1.3%増にとどまり、1~3月期の2.4%増から減速した。自動車をはじめとする耐久消費財の販売が振るわず、家計の慎重な支出姿勢が続いた。サービス消費は5.3%増えたが、財消費は1.1%増にとどまった。
投資と不動産の落ち込みが拡大
1~6月期の固定資産投資は前年同期比5.7%減となった。市場予想の4.9%減よりも落ち込みが大きく、1~5月期の4.1%減からマイナス幅が広がった。民間投資は8.5%減、国有部門の投資も2.3%減となり、インフラ投資は2.4%減少した。
不動産開発投資は18.0%減となり、1~5月期の16.2%減や1~3月期の11.2%減から一段と悪化した。6月の新築住宅価格も下落を続けた。一部の中核都市では改善がみられたものの、全国的な住宅需要の弱さを補うには至らなかった。
年間成長目標へ政策運営が課題
中国経済は、製造業と輸出が伸びる一方、消費、投資、不動産が弱いという偏った構造を抱えている。国家統計局も、供給の強さに対して需要が不足する問題が目立っているとの認識を示した。中東情勢の混迷と原油価格の変動も、消費や企業活動への負担となった。
市場では、7月下旬に予定される中国共産党政治局会議が注目されている。政策の重点は、家計消費やインフラ投資など国内需要の支援に置かれるとみられている。ただし、輸出が景気を支えている間は、全面的な景気刺激ではなく、対象を限定した段階的な施策が中心となるとの見方が出ている。