半導体株が東京市場を押し上げる一方、ソフトウエア関連は下落しAI投資を巡る選別色強まる

浅川 涼花
经过

日経平均は後場に上昇幅を拡大

15日の東京株式市場では、AI関連投資の恩恵を受ける企業と、企業の予算配分変更による影響が警戒される企業との間で株価の差が広がった。日経平均株価は前営業日比1008円01銭高の6万8751円51銭となり、2営業日連続で上昇した。

取引開始時は246円24銭高だったが、半導体関連銘柄を中心に買いが増え、上昇幅は徐々に拡大した。午前中には利益確定売りによって伸び悩む場面もあったものの、後場に再び買いが強まった。

日経平均は一時6万8798円24銭まで上昇した。前日の米国市場でハイテク株が買われたことに加え、午後に発表された海外半導体企業の決算が国内市場の追加材料となった。

海外半導体市場の強さが買いを誘発

前日の米国市場では、半導体株の値動きを示すフィラデルフィア半導体株指数が2%余り上昇した。ハイテク株の構成比が高いナスダック総合株価指数も1%近く値を上げ、東京市場の半導体関連株に買いが波及した。

15日のアジア市場では、韓国総合株価指数が大幅に上昇し、台湾加権指数も堅調に推移した。半導体企業の比重が大きい市場がそろって上昇したことで、世界的なハイテク株への資金回帰が意識された。

東京市場では、レーザーテックが10%を超えて上昇したほか、東京エレクトロンとアドバンテストも値を上げた。フジクラやイビデンにも買いが集まり、日経平均への寄与度が高い銘柄の上昇が指数全体を押し上げた。

ASML決算が半導体需要の強さを示す

市場の関心を集めたのは、オランダの半導体製造装置大手ASMLが発表した第2四半期決算だった。売上高と利益がともに市場予想を上回り、AI半導体メーカーからの需要が業績を支えた。

中国向け販売を巡っては先行きへの不透明感が残っていたが、AI分野からの受注がその影響を補った。決算が公表されると、半導体産業の成長が続いているとの受け止めが広がり、東京市場でも関連銘柄への買いが加速した。

ASMLの業績は、半導体メーカーの設備投資動向を判断する材料として注目されている。市場予想を上回ったことで、製造装置や電子部品、半導体材料を扱う国内企業にも需要拡大への期待が及んだ。

IT予算の変化で関連企業に逆風

半導体株が上昇した一方、ソフトウエアやコンサルティング関連株は軟調だった。背景には、前日の米国市場でIBM株が大幅に下落したことがある。

IBMは、顧客企業がIT予算をハードウエアへ優先的に配分する傾向を示した。これを受け、AI向け設備への投資が増える一方で、従来型のソフトウエアやシステム開発に向けられる資金が減少するとの警戒が広がった。

国内では富士通、NEC、野村総合研究所、ベイカレントなどが売られた。企業のDX投資自体がなくなるのではなく、支出先がAI計算基盤や半導体を中心とする設備へ移る動きが意識された。AI技術の進展を材料とする銘柄の中でも、事業内容によって評価が分かれた。

全体高の裏側で進んだ投資先の選別

TOPIXは1.22%高の4088.12ポイントとなり、東証プライム市場指数も同じく1.22%上昇した。プライム市場では1152銘柄が値上がりし、371銘柄が下落、35銘柄が横ばいだった。

業種別では、非鉄金属、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品など22業種が上昇した。一方、情報・通信、小売、鉱業など11業種は下落し、市場全体の上昇とは異なる動きを示した。売買代金は9兆5675億1200万円に達した。

日経平均は1000円を超えて上昇したが、すべてのIT関連企業に買いが向かったわけではない。AI向け半導体や通信部材など需要拡大が業績に直結する企業が選ばれる一方、企業の投資配分変更によって影響を受ける銘柄は売られた。15日の市場では、AI関連という共通点だけではなく、実際の収益機会を基準に投資先を選別する動きが強まった。

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