AI需要を取り込み大幅な増収増益
米マイクロソフトが7月29日に発表した2026年4~6月期決算は、企業向けAIサービスとクラウド事業の拡大を背景に、売上高と利益がともに大きく伸びた。純利益は前年同期から31%増え、357億6600万ドル、約5兆8400億円となった。売上高も18%増の900億700万ドルに達し、四半期として過去最高を記録した。
企業による生成AIの導入が広がる中、データ処理やシステム運用を支えるクラウドサービスの需要が業績を押し上げた。マイクロソフトは業務用ソフトウエアやクラウド基盤にAI機能を組み込み、法人顧客による関連投資を取り込んでいる。今回の決算では、こうした事業構造が売上高と純利益の双方に表れた。
アジュールなどの売上高43%増加
成長の中心となったのは、クラウド基盤「アジュール」を含むサービス部門だった。同部門の売上高は前年同期比43%増加し、会社全体の増収をけん引した。AIモデルの開発や運用には大規模な計算資源が必要となるため、企業によるクラウド利用の拡大がアジュールの成長につながった。
サティア・ナデラ最高経営責任者は、顧客がAIへの支出を具体的な事業成果へ結び付けられるよう支援する方針を示した。AI機能そのものを提供するだけでなく、企業の業務やサービスへの導入を後押しする姿勢を明確にした形だ。企業向け需要の強さが続く中、クラウド基盤は同社の収益を支える主要事業となっている。
過去最高売上高の裏で投資も拡大
AIとクラウドの成長に対応するため、マイクロソフトは設備投資を大幅に増やした。4~6月期の設備投資額は前年同期比69%増の410億ドルとなり、売上高の伸びを大きく上回った。データセンターの整備や計算処理用設備への支出に加え、半導体などの部品価格上昇も投資額を押し上げた。
AIサービスを継続的に提供するには、サーバーやネットワーク設備などの基盤を拡充する必要がある。需要増加は収益機会となる一方、必要な設備や部品への支出も増える構造となっている。今回の決算は、AI事業の成長と、それを支える資本負担が同時に拡大している状況を示した。
Xbox事業は前年同期比10%減
クラウド関連事業が拡大する一方、すべての部門が増収となったわけではない。家庭用ゲーム機「Xbox」に関連する事業は前年同期比10%減少した。企業向けAIやクラウドサービスの好調さとは異なる動きを示し、事業分野によって業績に差が生じた。
ただし、Xbox事業の減収がありながらも、全社の売上高は900億ドルを超えた。クラウド基盤を中心とする法人向け事業の成長が、他部門の減少分を補ったためだ。事業構成の中で、AIとクラウドの比重が一段と高まっていることが数字から確認できる。
AI基盤への投資と成長が鮮明に
マイクロソフトの4~6月期決算では、AI需要の拡大がクラウドサービスの利用増加につながり、過去最高の売上高と31%の増益をもたらした。アジュールなどの売上高が43%増えたことは、企業による計算基盤への需要が同社の業績を強く押し上げていることを示す。
一方で、設備投資は410億ドルに達し、成長を維持するための費用も急速に膨らんだ。ゲーム事業の減収を抱えながらも、法人向けクラウドとAI関連事業が全体を支える構図は明確となった。今期の決算は、同社がAI関連サービスの拡大と、それに必要な基盤整備を同時に進めている状況を映し出した。