鉄道とバスで運営方針の大幅な転換示す
大阪メトロが鉄道とバスの双方で運営計画の見直しを進めている。鉄道では2031年度をめどに磁気式の切符を廃止し、QRコードを印刷した切符へ切り替える方針を示した。一方、バス事業では2035年度ごろまでに全車両をEV化するとしていた計画を先送りする。
9日に開かれた大阪市との会議などで、一連の方針が明らかになった。鉄道では改札設備の効率化を進める一方、EVバスでは大阪・関西万博向けに導入した車両の問題を受け、従来の計画を修正する対応となる。
磁気切符を2031年度めどに廃止へ
大阪メトロは、現在使用している磁気タイプの切符について、2031年度をめどに取り扱いを終了する方針だ。今後は全駅でQRコードを印刷した切符を利用できるようにし、既存の磁気切符対応改札機をQRコードに対応する設備へ順次置き換える。利用者が使う切符の仕組みが大きく変わることになる。
磁気式の切符は、使用後のリサイクルに手間がかかるほか、改札機内部で詰まりが発生することもある。こうした設備の維持管理には費用が必要となるため、大阪メトロはQR方式への移行によって現在の運用を改める。
QR対応改札への更新で管理負担を軽減
QRコード付き切符への変更に伴い、駅の改札設備も新方式へ対応させる。現在の磁気情報を読み取る仕組みからQRコードを認識する設備へ変更することで、磁気券特有の処理や管理が不要になる。大阪メトロは2031年度を1つの区切りとして、全駅での切り替えを進める。
磁気式切符では、券そのもののリサイクルに加え、改札機での詰まりへの対応などが必要だった。QR方式への移行は、こうした日常的な管理負担を見直す取り組みとなる。大阪メトロにとって、駅設備の更新と乗車券の変更を一体的に進める事業となる。
EVバスでは万博後の活用計画を撤回
鉄道で新たな方式への移行を進める一方、バス事業では計画の縮小を迫られている。大阪メトロはEVモーターズ・ジャパンから190台のEVバスを購入し、150台を大阪・関西万博の輸送に投入した。しかし、ブレーキホースの損傷や扉の作動不良など832件の問題が確認された。
万博終了後には路線バスなどとして使用する予定だったが、その構想は中止された。100台以上が森之宮検車場に置かれた後、2026年5月から富山県内のリサイクル施設へ移されている。移送には約2700万円がかかり、現在も月300万円を超える保管費が発生しているとされる。
設備更新進める一方でEV計画は再構築へ
大阪メトロはEVバスの購入代金に加え、移送や保管にかかった費用について販売元へ請求する方針だ。ただ、EVモーターズ・ジャパンは民事再生手続きに入っており、代金を全額回収できるかは見通せない状況となっている。この問題を受け、2035年度をめどに掲げていたバスの全面EV化も先送りされる。
今回示された方針では、鉄道部門で磁気切符からQRコードへ移行する一方、バス部門では既存のEV導入戦略を修正するという対照的な動きがみられる。大阪メトロは駅設備では新たな仕組みへの転換を進めながら、EVバスについては万博で生じた問題を踏まえて計画を組み直すことになる。