リニア中央新幹線談合事件で最高裁が上告棄却 大成建設と鹿島建設の有罪判決が確定へ

浅川 涼花
经过

リニア工事をめぐる談合事件で司法判断確定へ

リニア中央新幹線の建設工事をめぐる談合事件で、最高裁判所は大成建設と鹿島建設の元幹部2人と、法人としての両社による上告を退けた。これにより、1審と2審が示した有罪判断が確定することになった。対象となったのは、大成建設の元常務執行役員の大川孝被告と、鹿島建設の元部長の大澤一郎被告、それに大成建設と鹿島建設の2社である。

事件は、JR東海が発注したリニア中央新幹線の駅工事の入札をめぐるものだ。2014年から2015年にかけ、大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設の4社が受注に関する調整を行ったとして、独占禁止法違反の罪に問われた。被告側は一貫して談合の成立を否定していた。

4社間の事前調整が独禁法違反と認定

裁判では、各社の幹部が入札前に見積金額などの情報を交換していた点が大きな争点となった。1審の東京地裁は、各社の提示額に差が出るよう連絡を取り合うなど、受注に向けた協力が行われていたと認定した。こうした行為が自由な競争を妨げたとして、有罪判決を言い渡した。

2審の東京高裁も1審の判断を支持したため、元幹部と法人側が最高裁に上告していた。最高裁第3小法廷は上告を退け、下級審の判断を維持した。被告側が主張していた無罪は最終的に認められなかった。

元幹部に執行猶予付き懲役 両社には罰金

確定する刑は、元幹部2人についてそれぞれ懲役1年6カ月、執行猶予3年となる。法人としての大成建設と鹿島建設には、それぞれ罰金2億5000万円が科される。個人と企業の双方について刑事責任を認めた形となった。

最高裁は、今回の工事を施工できる能力を持つ4社の幹部が、入札前に見積金額などの情報を交換していたことを重視した。こうした行為について、競争を実質的に制約するものだと判断した。大規模な公共性を持つ事業の受注過程について、競争環境を損なう行為が認定されたことになる。

大林組と清水建設ではすでに判決確定

同じ事件で起訴された大林組と清水建設については、すでに有罪判決が確定している。両社は公正取引委員会に対し、不正行為を自主的に申告していた。大林組には罰金2億円、清水建設には罰金1億8000万円が科されている。

今回、大成建設と鹿島建設側の上告も退けられたことで、事件で刑事責任を問われた4社すべてについて司法判断が確定する形となった。長期間にわたり争われてきたリニア中央新幹線工事をめぐる談合事件は、最高裁の決定によって大きな区切りを迎えた。

最高裁決定受け両社が法令順守徹底を表明

大成建設は、自社側の主張が認められなかったことについて遺憾との立場を示しながら、最高裁の決定を厳粛に受け止めるとした。そのうえで、今後も法令順守を徹底し、コンプライアンス体制をさらに整備する方針を示した。司法判断を受け、再発防止に向けた社内体制の強化を進める姿勢を明らかにした。

鹿島建設も、自社の主張が採用されなかったことを遺憾としつつ、最高裁の判断を受け止め、信頼回復に取り組むとしている。また、会長、社長、土木担当副社長の3人が月額報酬の20%を2カ月間自主返上すると発表した。今回の有罪確定を受け、両社には今後も法令順守を徹底する対応が求められる。

この記事をシェア