SBI証券、こどもNISA専用「ゼロカン」投入へ 信託報酬0%で長期運用を後押し

市原 陽葵
经过

信託報酬0%の専用投信をこどもNISAに投入

SBI証券は10月1日、2027年1月に始まる18歳未満向けの「こどもNISA」に対応し、信託報酬を年0.00%とする投資信託を取り扱うと発表した。商品名は「SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド」で、愛称を「ゼロカン」とする。国内では珍しい信託報酬ゼロの商品を投入し、長期の資産形成で継続的に発生する管理コストを抑える。

こどもNISAは年間60万円、総額600万円までの投資を非課税とする新制度だ。制度開始を前に、金融機関では子ども向け口座を巡る顧客獲得の動きが広がっている。SBI証券は低コストを前面に出した専用商品を用意し、新制度への対応を進める。

世界株式へ幅広く分散する指数連動型を採用

ゼロカンは、全世界株式の指数であるMSCI ACWIの配当込み、円ベースに連動する運用を目指す。特定の国や地域だけではなく、世界の株式を対象とするインデックス型の商品となる。全世界株式に分散する既存の投資信託と同様の運用方式を採用する一方、信託報酬を0%とした点が大きな特徴だ。

ファンドの設定日は11月17日で、販売会社は10月1日時点でSBI証券のみとなっている。こどもNISAの制度開始に合わせて購入できるようにする。新たに設定されるファンドであるため、実際の運用実績は今後積み上げられることになる。

長期保有で積み重なる管理コストをゼロに設定

信託報酬は投資信託を保有している間、日々ファンドの資産から差し引かれる費用だ。保有期間が長期になるほど累積するため、子どもの成長とともに長期間の資産形成を行う制度では、コストの水準も運用結果に影響する要素となる。ゼロカンはこの信託報酬をなくすことで、保有中の管理費負担を抑える設計とした。

ただし、すべての費用がなくなるわけではない。0%となるのは運用会社、販売会社、信託銀行などに支払われる信託報酬で、監査報酬や株式売買時の委託手数料などは別途発生する。実際の費用負担は運用開始後に示される実質コストで確認する必要がある。

18歳以降も保有分は信託報酬0%を継続

ゼロカンを積み立てられるのは、こどもNISAのつみたて投資枠に限られる。大人向けのNISAや通常の課税口座では購入できず、対象制度を限定した専用商品という位置付けだ。子どもが18歳になった後は口座が大人向けNISAに引き継がれる。

18歳になるまでに購入したゼロカンについては、その後も信託報酬0%のまま保有を続けられる。一方、18歳以降にゼロカンを新たに積み立てることはできない。同様の投資対象で積立を継続する場合は、信託報酬0.055%の「SBIオールカントリー」を利用する形となる。

新制度開始に向け低コスト商品の競争広がる

こどもNISAでは、非課税枠を活用して長期にわたる資産形成が可能となる。SBI証券は制度開始に合わせて信託報酬0%の商品を投入することで、投資に伴う継続費用を引き下げる。子どもの段階から口座を開設してもらうことは、金融機関にとって長期的な顧客基盤の形成にもつながる。

一方、既存の全世界株式型ファンドでも信託報酬はすでに低い水準となっている。ゼロカンはコスト面で違いを打ち出しながら、購入可能な口座や年齢に明確な条件を設けた商品となる。2027年1月の制度開始を控え、こどもNISAを巡る証券各社の商品・口座獲得競争が進む。

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