モスクワ中心部の集会で参加者を相次ぎ拘束
ロシアの首都モスクワで10月4日、共産党が開催した集会で参加者60人以上が治安部隊に拘束された。集会には数百人が集まり、一部の参加者は9月に実施された下院選を巡り、選挙の公正性を求める主張を展開した。
参加者からは「公正な選挙を」といった声が上がったほか、政治的な弾圧への反対やプーチン政権への抗議を示すスローガンも出た。治安部隊は周辺で警戒に当たっており、その後、参加者らの拘束に乗り出した。
追悼目的で許可された恒例行事から抗議へ
今回の集会は、1993年にロシアで発生した政治危機の犠牲者を追悼する目的で開かれた。共産党が例年実施している行事で、今回も当局から開催の許可を得ていた。
しかし、街頭で参加者の一部が選挙の公正性を訴え始めたことで状況が変化した。治安部隊は共産党支持者らを次々と拘束し、拘束者は60人を超えたとされる。ウクライナ侵攻に反対する改革派野党「ヤブロコ」の関係者も参加しており、その中から数十人が拘束されたとの情報もある。
ジュガーノフ委員長が演説し数百人が行進
集会では共産党のジュガーノフ委員長が演説し、その後、数百人の参加者がモスクワ市内を行進した。共産党は下院で第2党の議席を持つ一方、政権に協力的な「体制内野党」の一角と位置付けられてきた。
参加者は選挙問題だけでなく、当局が続けている通信制限についても抗議した。さらに、選挙での不正を主張したことで拘束された活動家の釈放を要求する声も上がり、集会は複数の政治的要求を示す場となった。
9月下院選の結果を巡り不正を訴える動き
背景には9月に行われたロシア下院選がある。プーチン政権を支える与党「統一ロシア」が圧勝したが、開票結果が改ざんされたとの指摘など、選挙の正当性を疑問視する動きが出ている。
共産党関係者は9月25日にも、ロシア北部コミ共和国で選挙不正があったとして抗議集会を開いていた。さらに共産党は10月4日、モスクワの別の場所で選挙不正に抗議する集会を開催するため当局に申請していたものの、こちらは許可されなかった。
選挙結果への異議と当局の対応が改めて表面化
政権側は下院選での与党の勝利を、ウクライナ侵攻を継続する政策への国民の支持を示すものとして扱っている。一方、共産党側からは選挙の公正性を問う動きが続き、モスクワでの集会でも同様の要求が示された。
当初は当局が認めた追悼行事だったものの、政治的なスローガンが上がった後に多数の拘束者が出る展開となった。9月の下院選から間もない時期に首都で60人以上が拘束されたことで、選挙結果を巡る異議と当局の対応が改めて表面化した。