原油価格の高止まりが日本株の幅広い業種に影響
10月20日の東京株式市場では、原油価格の上昇に伴う物価高への懸念が投資家の売買判断に影響し、幅広い業種で株価が下落した。中東情勢の悪化を受けた原油先物相場の上昇が、AI関連株の低迷と重なり、日本株全体の下押し要因となった。
日経平均株価は前営業日比841円28銭安の6万4075円42銭となり、2営業日連続で下落した。下落率は1.30%だった。東証株価指数(TOPIX)も1.43%下げ、4009.21ポイントで取引を終えた。
前日の米国市場ではナスダック総合指数が堅調だったものの、日本市場では幅広い銘柄への買い注文につながらなかった。取引開始後から売りが優勢となり、相場全体を押し上げる材料に乏しい展開が続いた。
インフレへの警戒が景気敏感株の売却を加速
原油価格の上昇は、物価全般の上昇に対する懸念を強めた。中東地域を巡る情勢が原油先物市場に影響する中、東京市場では景気の変化に左右されやすい企業の株式にも売却が広がった。
特に、非鉄金属や銀行業、ガラス・土石製品などの業種で株価が下落した。これらの分野は、20日の東証33業種別指数で値下がりした24業種に含まれている。
金融関連では三菱UFJフィナンシャル・グループが軟調となり、東京電力ホールディングスも値を下げた。一方、その他製造や小売業など9業種は上昇し、ファーストリテイリングも値上がりした。市場全体が下落する中でも、業種や個別銘柄によって異なる動きが確認された。
大型株から新興市場まで株価下落が広がる展開に
20日の株式市場では、主要な株価指数がそろってマイナスとなった。TOPIXは前日比58.27ポイント下落し、東証プライム市場指数も30.17ポイント安の2066.10ポイントとなった。
東証スタンダード市場指数は31.36ポイント安の1653.20ポイントだった。また、東証グロース市場指数は26.36ポイント安の952.95ポイントとなり、成長企業を中心とする市場でも売却が進んだ。
東証グロース市場250指数は前営業日から21.00ポイント下げ、745.91ポイントで取引を終了した。下落率は2.74%に達し、日経平均やTOPIXを上回る下げ幅となった。
東証プライム市場の売買代金は6兆7992億3400万円だった。市場全体で幅広い銘柄が売られ、大型企業だけでなく新興企業にも株価下落が及んだ。
米AI企業を巡る懸念が国内ハイテク銘柄を圧迫
原油高と並んで日本株の重荷となったのが、米国のAI向けクラウドサービス企業コアウィーブを巡る懸念だった。AI分野への不安が続く中、日本の半導体関連企業やハイテク銘柄にも売却が集中した。
キオクシアホールディングスやソフトバンクグループは値下がりした。これらの銘柄は日経平均の動向にも関係することから、AI関連株の軟調な値動きが主要指数の下落に影響した。
取引の途中には、下落した銘柄を割安と判断した買い注文が入る場面もあった。しかし、原油価格の高止まりが景気敏感株への売りにつながり、相場全体の持ち直しは限定的だった。
日経平均の取引時間中の安値は6万3807円15銭で、高値は6万4822円22銭だった。終値は6万4075円42銭となり、安値に近い水準で取引を終えた。
値下がり銘柄が全体の76%を占め市場の弱さが鮮明
東証プライム市場では、値下がりした銘柄が1181となり、全体の約76%に達した。上昇した銘柄は335で21%にとどまり、変わらずは37銘柄だった。下落銘柄数が上昇銘柄数を大幅に上回り、売りの広がりが明確になった。
市場では、大規模クラウド事業者や国内半導体関連企業の決算発表が、AI関連株の値動きを判断する重要な材料として注目されている。企業業績の発表によって投資家の評価が変化することも指摘されている。
20日の取引では、原油価格の上昇に伴うインフレへの警戒と、AI関連企業を巡る不安が同時に株価を圧迫した。TOPIXや新興市場の指数も下落し、売りが特定の銘柄にとどまらず、日本株の広範囲に及んだことが確認された。