政府が個人データの保管と削除の徹底を呼びかけ
個人情報保護委員会は、不正アクセスに伴う情報流出が多数報告されていることを踏まえ、企業や団体に保有データの取り扱いを見直すよう求めた。特に、必要性がなくなった個人情報を適切に削除することを呼びかけている。
今回の要請は、2026年度に入ってから報告された被害の集計結果とともに示されたものだ。企業などが管理していた個人情報が外部へ流出する事案が相次いでおり、情報の保管方法だけでなく、保有を続ける必要性についても確認が求められている。
委員会が示した対応は、不要な個人情報を消去し、引き続き利用するデータについて適切な管理を行うという内容だ。
日本の人口を大きく上回る延べ流出規模が明らかに
政府の集計対象となったのは、2026年4月1日から10月16日までに企業などが報告した事案である。この期間に不正なアクセスを通じて外部へ流出した個人情報は、合計で約2億6000万人分となった。
日本の人口約1億2297万人を基準にすると、報告された個人情報の延べ人数はその2倍以上に当たる。ただし、同一人物の情報が複数回含まれている場合もあるため、約2億6000万人がそれぞれ被害を受けたという意味ではない。
こうした流出規模について、政府が企業などから受け付けた報告を集約し、全体像を示したのは初めてとなる。これまで個別に届け出られていた事案が、年度途中の統計として公表された。
企業からの報告制度を通じて2094件の事案を集計
今回の数字は、情報流出を把握した企業や団体から個人情報保護委員会へ提出された報告を基にしている。対象となる漏えい事案が発生した場合、事業者には発覚から3~5日以内に報告する義務がある。
2026年4月から10月16日までに提出された不正アクセスに関する報告は2094件だった。この件数は速報段階のもので、年度全体の最終的な集計ではない。
報告制度によって把握される数字には、事案の発生件数と、流出した個人情報の延べ人数という異なる指標がある。今回の発表では、2094件の報告に対して約2億6000万人分の情報が対象となったことが示され、件数と規模の双方が明らかになった。
月別の報告状況に大きな変化が生じた10月前半
今回の集計で特に目立ったのは、10月の報告件数である。4月から9月までの6か月間は、最も多い月でも300件を少し超える水準だった。一方、10月は16日までの時点で830件に達した。
この830件は10月の全期間ではなく、月の前半に受け付けられた報告だけを数えたものだ。過去6か月間の各月の最多水準と比べても大幅に多く、年度内の報告状況に大きな変化が表れている。
ただし、報告数が急増した理由や、個々の事案に共通する侵入手法などは、今回提供された集計では明らかにされていない。確認できるのは、10月前半に届け出が集中したという事実である。
不要な個人データの消去を通じた管理の徹底へ
政府が企業などに求めているのは、個人情報を適切に取り扱うための管理の徹底である。今回の呼びかけでは、保管している情報のうち、利用する必要がなくなったものを削除する対応が具体的に示された。
個人情報の流出は、企業や団体が保有するデータを対象として発生している。報告義務に基づく被害状況の把握と、保有データの管理は、それぞれ異なる対応として位置づけられる。
2026年度は10月16日時点で2094件の報告が集まり、流出規模は延べ約2億6000万人分となった。委員会はこうした集計を公表したうえで、事業者に不要な個人情報の削除と適切なデータ管理を改めて求めている。