原油価格が乱高下 中東情勢巡り市場の見方揺らぐ展開続く

滝本 梨帆
经过

中東情勢の見方変化で原油が下落

ニューヨーク・マーカンタイル取引所で4月1日に行われた取引では、原油先物価格が下落した。指標となるWTIの5月渡しは前日より1.26ドル安の100.12ドルで取引を終えた。取引時間中には一時96ドル台まで下落する場面も見られた。

背景には、中東での軍事行動が短期間で収束するとの見方が広がったことがある。米国が対イラン攻撃を早期に終える可能性が意識され、市場では売り注文が優勢となった。これにより、短期的な供給不安がやや後退したとの受け止めが広がった。

軍事対応の発言が市場心理に影響

米国の対応を巡る発言も市場の動きを左右した。米大統領は軍事行動が数週間以内に終了する可能性に言及し、さらに早期撤退の意向を示した。この発言が原油相場の下押し要因となり、市場では緊張の緩和を織り込む動きが広がった。

一方で、イランとの停戦を巡る見解には食い違いがあり、戦闘継続の可能性が完全に排除されたわけではない。こうした不確実性が残る中、市場は短期的な安心感と警戒感が交錯する状態となった。

供給停滞懸念が下げ止まりを支える

価格が下落した後は、供給面への懸念が再び意識され、相場は下げ幅を縮小した。ホルムズ海峡の輸送正常化には時間がかかるとの見方が根強く、需給の逼迫が続くとの認識が広がったためである。

さらに、石油輸出国機構(OPEC)の3月の生産量は前月より大幅に減少し、日量2157万バレルと2020年6月以来の低水準となった。湾岸地域のエネルギー施設への攻撃などが影響し、供給力の低下が指摘されている。

原油が急反発し113ドル台を記録

翌4月2日の取引では、原油価格が急反発する展開となった。WTIの5月渡しは一時113ドル台まで上昇し、前日の水準から10%以上の上昇となった。

これは米大統領が対イラン攻撃をさらに強化する可能性を示したことが要因とされる。市場では戦闘が長期化するとの見方が広がり、供給回復の遅れが意識された。ホルムズ海峡では世界の原油や液化天然ガスの約2割が通過しており、その輸送制限が相場を押し上げる材料となった。

金価格上昇が示す資金動向の変化

同時に、安全資産として位置付けられる金価格も上昇を続けた。ニューヨーク商品取引所では6月渡しの金先物が134.5ドル高の4813.1ドルとなり、4営業日連続の値上がりを記録した。

中東情勢の緊張が一定程度緩和に向かうとの見方が広がり、ドル需要が一時的に弱まったことが背景にある。ドルの代替資産としての金への資金流入が強まり、価格上昇につながったとされる。エネルギー市場と貴金属市場は、地政学的要因に左右される展開が続いている。

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