エヌビディア最高益更新、AI需要拡大で売上高も過去最高に

嶋田 拓磨
经过

所管分野の業界団体が会合に出席

米半導体大手エヌビディアが発表した2026年2~4月期決算は、生成AI関連の需要拡大を背景に大幅な増収増益となった。売上高は前年同期比85%増の816億1500万ドル、純利益は約3.1倍の583億2100万ドルとなり、いずれも四半期として過去最高を更新した。AI開発を進める企業の投資が続き、同社の半導体需要を支えた。

同社の業績をけん引したのは、データセンター向け事業である。同部門の売上高は前年同期比92%増の752億4600万ドルとなり、全体売上高の大部分を占めた。クラウド事業者やAI関連企業による設備投資の拡大が、成長の中心となった。

5~7月期見通しは市場予想を上回る

エヌビディアは2026年5~7月期の売上高について、910億ドル前後になるとの見通しを示した。これは市場予想の868億4000万ドルを上回る水準であり、AI半導体への需要が引き続き高いことを示す内容となった。会社側は売上高の見通しにプラス・マイナス2%の幅を設けている。

調整後1株当たり利益は1.87ドルとなり、市場予想の1.76ドルを上回った。売上高と利益の双方で予想を上回ったことで、AI関連需要の強さが改めて確認された。ただ、発表後の時間外取引では株価が1.6%下落し、投資家の一部には競争環境への警戒も残った。

800億ドル規模の株主還元策を公表

同社は決算発表に合わせて、800億ドル規模の自社株買い計画を明らかにした。株主還元を強化する姿勢を示した形であり、成長投資と資本政策を同時に進める方針が示された。さらに、四半期配当を1株当たり0.01ドルから0.25ドルに引き上げた。

クラウドコンピューティング契約も拡大している。契約額は300億ドルとなり、前四半期の270億ドルから増加した。AIインフラ向けの需要が続く中、同社は供給網の確保にも資金を投じている。

データセンター事業が成長を主導

ジェンスン・フアン最高経営責任者は、生成AIを支える「AIファクトリー」の建設が速いペースで進んでいると説明した。エージェント型AIについても、実用段階に入り、価値を生み出しながら普及しているとの認識を示した。こうした発言は、AI関連投資が同社の成長を支えるとの見方を示すものとなった。

また、同社はAI特化型のクラウド企業を新たな顧客層として挙げた。これらの顧客向け売上高は大手クラウド企業向けとほぼ同規模だが、前四半期比ではより速い伸びを示していると説明した。AI関連投資の広がりが、顧客基盤の拡大にもつながっている。

競争激化の中で成長持続が焦点

一方で、エヌビディアを取り巻く競争環境は厳しさを増している。グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどの大手テック企業は、同社の高性能プロセッサーに依存する一方で、自社向け半導体の開発にも資金を投じている。AI半導体市場での支配的な立場には、こうした動きがリスクとして意識されている。

インテルやAMDも推論処理向けのCPU市場で収益機会があるとみている。エヌビディアは新型CPU「ベラ」によって2000億ドル規模の市場に参入できると説明し、今年度末までに200億ドルの売上高を見込む。好決算の一方で、AI投資の持続性と競争への対応が今後の注目点となる。

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