G7閉幕、地域情勢で結束確認 中東と供給網巡り日本提案反映

小野寺 佳乃

共同声明で示された国際課題

フランス東部エビアンで開かれたG7サミットは6月17日に閉幕し、地域情勢に関する共同声明を発表した。対象となったのは、ウクライナ、中東、インド太平洋の3分野で、各国首脳は複数の地政学的課題について立場を確認した。包括的な首脳宣言は見送られたが、分野別の文書を採択することで、G7としての結束を示す形となった。

今回の会議は、アメリカとイランが戦闘終結に向けた合意に至った直後に開かれた。中東情勢の変化はエネルギー供給や国際貿易に直結するため、各国は安全保障と経済の両面から対応を協議した。高市総理大臣は閉幕後の記者会見で、エネルギー安全保障に関する一致した発信の意義を強調した。

ウクライナ支援と対ロ制裁強化

共同声明では、ロシアによるウクライナ侵略をめぐり、ロシアの石油・ガス部門に対する経済制裁を強化する方針が明記された。G7はウクライナへの揺るぎない支持を改めて示し、防空システムや長距離ミサイルの供与を増やす方針でも一致した。議長国フランスのマクロン大統領は、G7としてウクライナ支援をさらに強める決定を行ったと成果を示した。

ウクライナ情勢は今回のサミットでも中心的な議題の1つとなった。ロシアへの圧力を維持しながら、ウクライナの防衛能力を支える姿勢を明確にした点が特徴だ。G7は軍事支援と経済制裁を組み合わせ、ロシアに対する対応を継続する立場を確認した。

中東情勢と航行の自由を確認

中東情勢では、イランに核兵器を保有させない方針が確認された。あわせて、ホルムズ海峡について、制限や通航料なしに通過する権利があることを示した。エネルギー輸送の要衝である同海峡の安定は、国際貿易と世界経済にとって重要な課題となっている。

高市総理大臣は、アメリカとイランによる和平に向けた努力を評価すると述べた一方、中東情勢に起因するエネルギー供給不安が世界経済に大きな影響を与えたと指摘した。日本はエネルギー安全保障の強化に向け、不当な輸出制限への反対や石油備蓄強化の支援などを提案した。これらの内容が成果文書に盛り込まれたことを、首相は大きな成果として位置づけた。

インド太平洋で現状変更反対

インド太平洋をめぐる共同声明では、中国を念頭に、東シナ海、南シナ海、台湾海峡での力による一方的な現状変更の試みに反対する立場が示された。G7は地域の安定を重視し、国際秩序に基づく対応の必要性を確認した。日本にとっても、インド太平洋の安全保障は重要な外交課題となっている。

北朝鮮については、核・ミサイル開発への深い懸念が表明された。声明では、完全な非核化を追求する姿勢が示され、拉致問題の即時解決も強く求められた。高市総理大臣は、インド太平洋の地域情勢や中国を含む課題、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題について、各国首脳と率直な議論を行ったと説明した。

供給網強化へG7連携が焦点

今回のサミットでは、エネルギーと重要鉱物をめぐる供給網の強化も主要な成果となった。高市総理大臣は、レアアースをはじめとする重要鉱物の備蓄制度を各国が導入する際、日本が支援する構想を提案し、賛同を得たと述べた。この考え方は共同文書に反映され、特定国への過度な依存を減らす方向性が示された。

G7は中東、ウクライナ、インド太平洋という複数の課題に対応しながら、エネルギー安全保障とサプライチェーンの強じん化でも共通認識を示した。高市総理大臣は、各国首脳との信頼関係を強化できたとし、G7として現下の世界的課題に一致した答えを出したと説明した。地域情勢と経済安全保障を結び付けた対応が、今回のサミットの中心的な成果となった。

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