全東信破産で地銀の融資管理に課題浮上 金融庁が審査体制と貸し倒れ対策の強化を要請

河本 尚真
经过

全東信破産で地銀融資の管理体制が焦点に浮上

決済代行会社の全東信が破産手続きに入ったことを受け、地方銀行による融資先管理のあり方が改めて焦点となっている。金融庁は地銀に文書を送り、貸出先の経営状態を継続的に確認する体制を強めるよう求めた。全東信に対する債権については、複数の金融機関が回収不能や返済遅延につながる可能性を公表している。金融庁は融資を実行する段階だけでなく、その後も財務状況を細かく追跡し、大規模な損失につながる事態を防ぐ必要があるとしている。

経営悪化の兆候把握後も融資継続した事例判明

全東信をめぐっては、一部の地方銀行が経営上の懸念につながる情報を把握していたにもかかわらず、融資を続けていたことが問題視されている。主力取引銀行が融資を減らしていたことや、業績悪化を示す情報を認識しながら、他の金融機関が取引を継続していることなどを理由に貸し出しを維持したケースがあった。こうした状況を踏まえ、金融庁は他行の判断だけに依存せず、それぞれの金融機関が融資先の実態を確認する必要があるとみている。全東信には長期間にわたり決算を粉飾していた疑いも指摘されている。

金融庁が融資審査と財務実態の継続把握を重視

金融庁は今後、融資を実行する際の審査体制が適切に機能しているかを確認するとともに、貸出後も企業の財務状況を十分に把握できているかを厳しくみる方針だ。融資先の経営状態は時間とともに変化するため、貸し出し時点の判断だけではリスク管理として不十分となる場合がある。全東信の事案では、経営状態に関する情報が金融機関の間で把握されていたにもかかわらず、取引継続の判断に十分反映されなかった点が焦点となった。金融庁は地銀に対し、企業ごとの実情を踏まえた管理を求めている。

貸し倒れリスクに応じた備えの強化を求める

金融庁は融資先の確認だけでなく、貸し倒れが起きた場合を想定した財務上の備えについても対応を求める。具体的には、損失に備える引当金や担保などを含め、貸し出しに伴う危険度に見合った管理を行う必要があるとしている。全東信向けの債権について複数行が回収への懸念を明らかにしたことで、特定企業への融資が金融機関側にも影響を及ぼす状況が現実化した。要請の対象は地方銀行だけでなく、信用金庫や信用組合にも広がるとみられている。

県境越え融資拡大で継続的な管理が課題に浮上

金融機関による貸し出しは地元企業に限らず、県境を越えて行われるケースが増えている。取引地域が広がるなか、融資先の状況をどこまで継続的かつ詳細に把握できるかが金融機関のリスク管理上の課題となる。全東信は飲食店などにカード決済の仲介サービスを提供し、加盟店への代金支払いをカード会社からの入金より前に行う事業を展開していた。その破産が加盟店や金融機関の双方に影響を及ぼしたことを受け、金融庁は融資審査、貸出後の経営監視、損失への備えを一体的に強化するよう求めている。

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