クボタが売上高3兆2800億円を予想 北米建機の堅調とインド農機の需要増が業績を押し上げ

滝本 梨帆
经过

地域別の販売動向が業績を左右

クボタが8月4日に発表した2026年12月期の連結業績予想では、北米の建設機械とインドの農業機械が成長を支える構図が示された。売上高は前期比8.6%増の3兆2800億円を見込み、これまでの計画から1300億円増額した。

営業利益は前期比50.7%増の4000億円、純利益は同54.8%増の2890億円を予想する。純利益の従来計画は2100億円だったため、今回の見直しによる増額幅は790億円となる。

製品別では市場環境に差があるものの、地域ごとの需要を取り込んだことで全体の業績が拡大した。円安や米国での関税還付も加わり、売上高と各利益項目をそろって引き上げる結果となった。

北米で建設機械の需要を確保

北米では、トラクター市場の低迷が続いている。特に住宅分野に関連する需要が弱く、個人向けを含む機械販売は厳しい事業環境に置かれた。主力製品の一部で需要が伸び悩む状況は、北米事業にとって課題となっている。

一方、建設機械は堅調な販売を維持した。公共工事と民間の建設投資が続いたことで、建設現場で使われる機械への需要が確保された。住宅関連市場の弱さとは対照的に、インフラや事業用建設の動きが販売を支えた。

この結果、建設機械部門がトラクター分野の停滞を補った。北米市場全体が一様に拡大したわけではないが、需要が強い製品へ販売機会を広げたことが、通期見通しを引き上げる要因となった。

インド農機市場の拡大が追い風

インドでは農業機械への需要が増加した。政府による農村地域への支援策などを背景に、農業生産に用いる機械の販売が伸びた。北米とは異なる市場要因が、クボタの海外事業を押し上げた。

農業機械はクボタの中核事業であり、インド市場での需要増加は地域別の売上構成を広げる効果を持つ。北米のトラクター販売が低調な局面でも、別の地域で農機需要を取り込むことで、事業全体への影響を抑えた。

北米の建設機械とインドの農業機械が、それぞれ異なる需要を背景に成長した。製品と地域を分散させた事業展開が、特定分野の市場停滞を補い、売上高3兆円を超える計画を支えている。

国内生産と輸出構造に円安効果

クボタはトラクターをはじめとする多くの製品を日本国内で製造し、海外へ出荷している。このため円の価値が下がると、外貨建ての販売収入を円に換算した際の金額が増え、輸出製品の利益にもプラスに作用する。

2026年12月期の予想修正では、想定より円安が進行したことが収益拡大の一因となった。さらに、米国で関税の還付を受けることも利益を押し上げ、純利益の増加率は売上高の伸び率を大きく上回る。

ただし、中間期の業績改善は為替の影響だけではない。会社側は、為替要因を差し引いた場合でも、前年同期と比べて売上高と利益が増えたと説明した。販売の増加と採算改善の双方が進んだことを示す内容となった。

上半期の好調受け最高益視野

2026年1~6月期の連結売上高は前年同期比16.2%増の1兆6902億円となった。北米の建設機械やインドの農業機械が伸び、円安による海外収益の換算効果も売上高を押し上げた。

純利益は同87.8%増の1736億円まで拡大した。上半期の段階で高い利益水準に達したことを受け、会社側は年間の純利益予想を2890億円へ変更した。この金額はアナリスト10人による予想平均の2288億円を上回る。

通期計画の達成には、北米の建設機械とインドの農業機械の販売が引き続き重要となる。住宅向けトラクター市場の低迷が残る中、伸びている地域と製品の収益を積み上げることで、クボタは年間純利益の最高記録更新を見込んでいる。

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