午前に1300円超の下げ幅を記録した日経平均
29日の東京株式市場では、日経平均株価が小幅に上昇して取引を終えた。終値は前週末比107円23銭高の6万9468円11銭だった。午前中には売りが強まり、一時1300円を超える下げ幅となったが、午後に入って買い戻しが優勢となった。
取引開始時点では反発して始まったものの、AIや半導体関連の一部銘柄に売り注文が出たことで指数は急速に下落した。前週に相場を押し上げた分野で利益を確定する動きが広がり、投資家の慎重姿勢が強まった。短時間で大きく値を崩す場面があったことから、高値圏にある相場の不安定さも示された。
AI関連の相次ぐ材料が市場心理を大きく左右
市場関係者の間では、AIや半導体市場を巡る動きが相場心理に影響したとの見方が出た。先週には、米国のオープンAIが新規株式公開の延期を検討しているとの報道があり、関連分野の先行きに不透明感が強まった。こうした材料が、AI関連銘柄や半導体関連株への売りにつながった。
また、米国市場で半導体株指数が下落したことも、東京市場に波及した。日本株ではソフトバンクグループ、キオクシアホールディングス、フジクラなどが大きく下げた。AI関連への期待は引き続き強いものの、短期的には材料次第で売りが出やすい状況となった。
米雇用統計を控え手控え姿勢も浮上する展開
今週は、米国の金融政策に影響を与える雇用統計の発表が予定されている。このため、積極的に持ち高を傾けることを避ける姿勢もみられた。米連邦準備制度理事会の政策を巡る見方が市場の関心を集める中、投資家は重要指標の結果を見極める姿勢を強めた。
四半期末を控えた持ち高調整も相場の振れを大きくした。市場では売り買いが交錯し、午前の大幅安から午後の小幅高へと方向感が変化した。AI関連への警戒、米金融政策への関心、期末要因が重なり、週明けの取引は不安定な値動きとなった。
TOPIXと出来高にみる東京市場の底堅さ
日経平均が大きく揺れた一方、TOPIXは前週末比18.64ポイント高の3982.00となった。幅広い銘柄で買いが入り、東証プライム市場では値上がり銘柄が1089に上った。値下がりは416銘柄、変わらずは35銘柄で、騰落数では買いが明確に優勢だった。
出来高は26億9456万株となり、売買代金も高水準だった。業種別では、その他製品、倉庫・運輸関連、保険、サービスなどが上昇した。非鉄金属、鉱業、ゴム製品などは下げたが、上昇業種は24に及び、指数の小幅高以上に市場内部の底堅さが確認された。
買い戻し主導の小幅高が示した今後の焦点
29日の相場は、AI・半導体関連への警戒が残る一方、下落した銘柄を拾う動きが午後に強まったことで小幅高を確保した。中東情勢への不安が後退したことも、内需株などへの買いを支えた。日経平均は一時大幅安となったが、終値ではプラスを維持した。
ただし、上値を追う力は限定的だった。米雇用統計を控えた様子見姿勢や、AI関連銘柄の先行き不透明感が引き続き意識されたためだ。週明けの東京市場は、買い戻しによる底堅さと、材料次第で値動きが荒くなる相場環境の双方を映す結果となった。