所信表明で経済政策を政権運営の中心に位置づけ
高市早苗首相は10月5日、国会で所信表明演説を行い、経済政策を最優先課題として政権運営に取り組む方針を示した。政策の柱には「責任ある積極財政」を据え、日本経済が成長を継続できる環境の構築を目指す。現在の経済情勢について、成長が循環する局面に進めるかどうかの重要な段階にあるとの認識を示し、政府による財政支出を民間投資につなげる考えを明確にした。
食料品の消費税減税で家計負担の軽減を目指す
臨時国会の主要課題となる食料品の消費税減税について、首相は物価上昇への継続的な対応策として位置づけた。減税によって家計の負担を抑え、生活に余裕を生み出す狙いを説明し、関連法案への理解を求めた。これまで野党側からも消費税の引き下げを求める意見が出ていたことに触れ、法案成立に向けて幅広い賛同を呼びかけた。
赤字国債に依存せず財源確保と市場の信頼を重視
積極的な財政政策を掲げる一方、首相は財政運営の持続性を確保することが前提になるとの立場を示した。消費税減税に必要な財源については、特例公債、いわゆる赤字国債には頼らずに確保すると説明した。さらに年間を通じた国債発行額を適切に管理し、国内外の市場関係者に政策の内容を説明することで信頼を高める方針を打ち出した。金利上昇や円安が続く状況も背景に、経済成長と財政規律の双方を意識した政策運営を示した形となった。
エネルギー調達の多角化へ危機管理投資を推進
首相は「危機管理投資」も重要政策として掲げ、中東情勢の緊迫化を踏まえたエネルギー安全保障への対応を示した。原油などの調達を特定の輸送経路に過度に依存する状態を改め、供給先を多角化することでリスクを抑える方針だ。そのために必要な制度を整備し、国際情勢の変化によって国内経済や国民生活が受ける影響を抑える体制づくりを進める考えを示した。
成長と財政規律の両立を掲げ政策実行へ踏み出す
今回の演説では、積極的な財政支出による経済成長と、国債発行を管理する財政運営が同時に示された。家計に直接関係する食料品の消費税減税を物価高への対応策として掲げる一方、市場からの信頼を維持する姿勢も強調した。憲法改正については改正国民投票法の成立を踏まえ、党派を超えた議論の進展に期待を示し、衆院議員の定数削減についても今国会での実現に向けた議論を求めた。経済を政策の中心に据えながら、複数の重要課題を臨時国会で進める方針が明確になった。