2026年度上半期の貿易赤字が前年の約2倍に拡大
財務省が10月21日に公表した2026年度上半期(4~9月)の貿易統計速報で、日本の貿易収支が2兆8184億円の赤字となったことが明らかになった。前年同期の赤字額は1兆4177億円で、今回の赤字規模は約2倍に達した。半期単位の貿易収支は11期連続でマイナスとなった。
輸出総額は前年同期比18.4%増の63兆4570億円となり、12期連続で増加した。一方、輸入総額は20.4%増の66兆2754億円に拡大し、2期連続の増加を記録した。輸出入ともに比較可能な1979年以降で最高額を更新した。
輸出額は大きく伸びたが、それ以上に輸入額が増加したため、貿易赤字は拡大した。中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰や円安が、輸入コストを押し上げる主な要因となった。
原油の輸入数量減少も価格上昇で支払額が増加
今回の貿易統計で大きな特徴となったのが、原油の輸入量と輸入金額の動きの違いである。原油の輸入数量は前年同期から21.2%減少したが、輸入金額は反対に26.3%増加した。調達量が減少する一方で、価格上昇によって支出が膨らんだ。
原油の円建て輸入価格は1キロリットル当たり10万8605円となり、過去最高を記録した。中東情勢の緊迫化による国際的なエネルギー価格の上昇に加え、円安も輸入金額を押し上げる要因となった。
輸入全体では、原油だけでなく半導体などの電子部品も増加した。エネルギー関連と電子部品の調達拡大が重なり、上半期の輸入総額は66兆円を超える水準となった。
中東からの調達縮小で米国産原油の輸入が急増
原油の調達先にも大きな変化が生じた。中東からの原油輸入数量は前年同期比44.5%減少した。中東地域の緊張が高まる中、日本は代替となる供給先からの調達を増やした。
特に米国からの原油輸入が急増し、輸入金額は前年同期の8.9倍となった。米国産原油の輸入は数量、金額ともに過去最高を更新した。中東からの調達減少を補う動きが、貿易統計にも明確に表れた。
こうした輸入構造の変化は、米国との貿易収支にも影響した。対米貿易では2兆1224億円の黒字を維持したものの、原油輸入の増加などによって黒字額は縮小した。米国の高関税政策による影響が和らぐ一方、エネルギー調達の拡大が収支を変化させた。
半導体関連の輸出増加も輸入拡大には届かず
日本の輸出額の増加には、世界的なAI分野への投資拡大が寄与した。データセンターの建設が進み、半導体の需要が高まったことで、電子部品や半導体製造装置の輸出が増加した。
中国向けではICなどの半導体関連製品が増加した。また、米国向けの自動車輸出も拡大し、輸出総額の増加を支えた。上半期の輸出額は63兆4570億円となり、前年同期から大きく伸長した。
一方、輸入では台湾からの半導体関連部品が増加した。輸出産業が好調に推移する中でも、原油や電子部品の輸入額が拡大したことで、貿易収支は赤字となった。
9月も赤字が続き輸出入額は同月の最高水準を更新
上半期全体の赤字に加え、9月単月の貿易収支も5365億円のマイナスとなった。月次の赤字は5カ月連続で、前年同月と比べて赤字幅は約2倍に拡大した。
9月の輸出額は前年同月比16.7%増の10兆9723億円、輸入額は18.9%増の11兆5088億円だった。いずれも9月として過去最大となり、輸出入双方で取引金額が増加した。
自動車などの輸出が堅調だった一方、原油や半導体関連部品の輸入額が膨らんだ。2026年度上半期の統計は、輸出産業の成長とエネルギー調達費用の増大が同時に進み、貿易赤字が拡大した状況を示した。