東京株式市場で買い注文が増加し株価指数が上昇
29日の東京市場では、取引開始時から株価が上向き、日経平均は6万4126円25銭で寄り付いた。その後、一時6万3749円20銭まで下落したものの、買いが入り直して6万4831円29銭まで上昇した。
最終的には6万4600円台を維持して取引を終了。前日比で700円を超える値上がりとなり、直近3営業日にわたる上昇の流れが続いた。
一方、東証株価指数のTOPIXは11.57ポイント高の4003.28ポイントとなり、上昇率は0.29%だった。日経平均と比較すると上昇幅は限定的で、指数間で値動きの強さが異なる結果となった。
米国の金利据え置き決定で投資家の警戒感が緩和
株価を支えた要因の1つが、米連邦公開市場委員会による金融政策の決定だった。米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は、事前の市場予想に沿って政策金利の水準を維持した。
予想外の金融政策変更がなかったことで、投資家の間では米国経済や企業収益を巡る不確実性への警戒が和らいだ。東京市場でも株式を購入する動きが強まり、日経平均の上昇につながった。
ただし、米国の大手クラウド事業者が発表した決算は一様に好調だったわけではない。企業によって業績への評価が異なり、関連銘柄の株価も方向感が分かれた。
半導体検査装置大手の業績上方修正が相場を支援
国内の半導体関連株では、アドバンテストの上昇が目立った。同社は28日、AI向け半導体の需要が堅調に推移していることを踏まえ、2027年3月期の業績見通しを引き上げた。
この発表は市場予想を上回る内容と受け止められ、翌29日の株式取引では同社株への買いが集中した。日経平均の算出に大きな影響を与える銘柄であることから、指数全体を押し上げる役割を果たした。
キオクシアホールディングスやソフトバンクグループも上昇した。一方、半導体製造装置関連のレーザーテックは下落しており、関連企業すべてに資金が流入したわけではなかった。
海外では韓国のSKハイニックスの良好な決算や、米オラクルのフリーキャッシュフロー黒字化も、投資家が評価する材料となった。
企業決算への評価が分かれ業種別の株価にも格差
個別企業の業績発表に対する市場の反応は、必ずしも同じ方向にはならなかった。アドバンテストが大幅に値上がりする一方、日立製作所は市場の期待に届かなかった決算内容を受けて急落した。
業種別では、東証33業種のうち25業種が上昇し、銀行業や証券・商品先物取引業、鉱業などが買われた。三菱UFJフィナンシャル・グループも上昇した。
これに対して、機械や電気機器など8業種は下落した。建設機械大手のコマツも売りに押され、企業業績や業種による選別が進む展開となった。
東証プライム市場の売買代金は13兆8657億4300万円に達し、活発な取引が行われた。
日銀会合や米中間選挙を控え市場の関心は次の材料へ
29日には日本銀行の金融政策決定会合が始まり、市場ではその結果を確認しようとする姿勢もみられた。さらに、週明けには米国の中間選挙が予定されており、政治や金融政策の動向が注目されている。
中東情勢の緊張や原油先物価格の高止まりも、株式市場の重荷となった。こうした状況を背景に、日経平均が大きく上昇したにもかかわらず、東証プライム市場では779銘柄が下落し、上昇した734銘柄を上回った。
主要企業の決算発表も続くため、市場では個々の業績数値を確認しながら投資先を判断する動きが中心となっている。株価指数の上昇と市場全体の値動きには違いが残った。